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 目次 1.プロローグ:清武のCLデビュー持ち越し、ユーベのCL制覇への序章 2.セビージャのハイプレスがユーベのビルドアップを苦しめる 3.ユベントスもハイプレス。しかしそこには誤算があった 4.ディバラの呪いがセビージャに襲いかかる 5.余談

 1.プロローグ:清武のCLデビュー持ち越し、ユーベのCL制覇への序章
セビージャのスタメンは、リコ、エスクデロ、ラミ、パレハ、メルカド、クラネビッテル、サラビア、イボーラ、エンゾンジ、ビトーロ、バスケス。
先日扱った記事の通り、清武は少し評価を落としてしまったタイミングだっただけにベンチスタートとなってしまった。セビージャはグループ2位でも突破できればいいよねってことで、アウェーだし引き分けでもいいだろうと考えてそうなサンパオリ。なので守備的兼ビルドアップ改善のためのスタメンの意味合いもあり、ベンチスタートは仕方ない面もある。

ユベントスのスタメンは、ブッフォン、キエッリーニ、ボヌッチ、バルザリ、エヴラ、アサモア、レミナ、ケディラ、アウベス、イグアイン、ディバラ。 ポグバが移籍してしまったが、ナポリから強力なストライカーであるイグアインを獲得。さらにバルサからアウベスまで獲得している。メンバーを見ればかなり強力で、今年こそCLを制覇したいだろう。ちなみにピャニッチではなくアサモアがスタメンとなった。

 2.セビージャのハイプレスがユーベのビルドアップを苦しめる

セビージャの守備はまずゾーン3、つまり前線からハイプレスをかけていくことでユベントスのビルドアップ破壊を狙っていた。
1トップだが、SHを前に出すことでユベントスの3バックにちゃんと1人ずつつけようということで、サラビアはバルザリ、バスケスがボヌッチに、ビトーロがキエッリーニにプレッシャーをかけていく。
ただしアンカーのレミナには人をつけないことが多かった。その代わり、バスケスビトーロサラビアの3人でCBにプレスをかける時に、レミナへのパスコースを消しながら、というのが決まりのようだった。

なぜこのようにしたかというと、バックラインでイグアインに対して2対1の数的優位を保ちたいからだろう。

というのもディバラはよく降りてくる動きを見せる。そこにCBのうち1人がついていってしまったら、イグアインとCBの1対1となってしまい、パスを通されると、速攻で簡単に失点する可能性があるからだ。 sevilla_juve3

したがって前線の3人で、レミナを含めた4人を担当してもらい、中盤のエンゾンジ、イボーラ、クラネビッテルの3人で、ケディラ、アサモア、降りてくるディバラを担当する、という決まりになっていた。ちなみにユーベのWBにはSBが対応するのがルール。

そんなセビージャのハイプレスに、ユベントスはビルドアップでけっこう苦労していた。中盤が降りてきて受けようとすると、ついてきた選手と前線の選手が挟み込みに戻ってくるので、なかなか良い展開に持っていくことできないユベントス。
じゃあイグアインにパスだ、となるとCBがプレッシャーをかけつつ、セビージャのMFが挟み込みに戻るのでこれもなかなか難しい。
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それでも前半30分手前ぐらいから、ボヌッチがパスコースを消されていたところに浮き球パスや、キエッリーニがセビージャのスライドが間に合う前に早いドリブルで駆け上がったりしていくことで、なんとかビルドアップの改善を図っていた。
ちなみにシティがCBのジョーンズとアンカーのフェルナンジーニョが入れ替わったのを参考にしたみたいに、アンカーのレミナとCB中央のボヌッチを入れ替える策もやってみたりもしていた。

っで、ハイプレスをいなされて、ゾーン1でのセビージャの撤退時の守備フォーメーションは4-1-4-1。 sevilla_juve5

ユーベは3バック、セビージャは1トップなので、両脇のCBがフリーでボールを持てる構図になる。っで、キエッリーニがドリブルで駆け上がってきた時はエンゾンジが前に出ることで対応。横幅をとる選手に対してビトーロが見る決まりで、エヴラを見ることもあればアサモアを見ることもある。 で、エンゾンジも前に出てる分、中央が空くので、クラネビッテルとイボーラがボールサイドに寄って中央を埋めていた。

ちなみにそこからサイドチェンジでバルザーリに渡ると、イボーラは前に出れないので、サラビアがバルザーリにつく普通の担当に。

またゾーン2、つまりセンターラインからの守備時には、まだキエッリーニをビトーロ、エヴラをメルカドが担当するようなことになっていたので、一気に前線に入れられると担当が変わるので受け渡しが少し大変だったろうな、と。

ビルドアップに苦労した前半のユーベは、それでも速攻やカウンターでボヌッチのえげつない前線へのパスなどがあり、決定機まで何度か持ち込むも、決めることはできず。

 3.ユベントスもハイプレス。しかしそこには誤算があった
ユベントスの守備はまずゾーン3、つまり前線でプレッシャーをかけていく。しかしそこで少し誤算があった。

リーグ戦などこれまでセビージャのビルドアップは、2-1-5-2のような形で、CBとエンゾンジの3人で行うことが基本だった。 従ってユーベは、このCBとエンゾンジの3人に対して2トップで中央へのパスコースを消してサイドに誘導する狙いを持っていたのだと思う。

しかしこの試合ではアンカーとしてクラネビッテルもいる。序盤エンゾンジが前に上がっていき、そこにクラネビッテルが降りてくることに2トップは対応できておらず、ケディラが前に出てついていっていくことで対応していた。
その際、アサモアはエンゾンジについており、イボーラには誰もついていない、という状態が起きる。ちなみに逆にエンゾンジが空くこともあった。
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さらにエンゾンジはいつも通り、CB間やSBの位置、アンカーの位置とポジションを変えまくるので、ユーベはマークの担当を都度変える必要に迫られて、マークが曖昧になってしまっていた場面が見られた。 ちなみにセビージャのSBにはWB、セビージャのSHには両脇のCBが各自マークにつく決まりのようだ。

これはいけないということで、クラネビッテルがアンカーにいることが多いことから、ディバラが徐々にクラネビッテルに重きを置いて、一応もう片方のCBも見れる限り見る、みたいな状態に変更するユベントス。 ただしこれも予期していたサンパオリ。逆にクラネビッテルが上がってエンゾンジが降りてくるなどもすることで、アンカーの入れ替えに対して、誰がマークするのか曖昧にさせ、セビージャがビルドアップを成功させる場面も出てきた。

その他、ラミがドリブルでFWをかわしてビルドアップし始める場面もちらほら。これは先日扱ったラスパルマス戦でも見せていて有効だったので、今後もセビージャのビルドアップ改善策の1つとして行われることになりそうだ。

またつないでいくだけでなく、降りていくビトーロにキエッリーニがついていくと、空いた右サイドの高い位置にバスケスが走り込み、そこにパレハからフィードするなどの策も講じていた。

ちなみにそれでもビルドアップに困る時はあるので、ビトーロやバスケスも降りてくることがある。そんな時、ユーベのCBはセンターラインを越すなどかなり前にまでは、ついていかないようにしていた。
その場合、ユーベの守備は、特に中盤がマンマークとゾーンのミックスに切り替えることで、セビージャの各選手の中間ポジションにとるなど、状況に応じて対応している様子が見られた。
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っで、パスが出たら近くの選手で挟み込み、ボール奪取を狙う。

で、前半何度かビルドアップミスから奪われてのショートカウンターが危険だったセビージャ。すると危ない時は無理せず前線に放り込もう、という場面が増えていく。それでスローインでもファールでもいいからマイボールにできたらラッキーみたいな。相手ボールになっても、そこからハイプレスかけて奪おうぜ、みたいな印象は割とあった。

で、セビージャがビルドアップに成功した時。ユベントスの撤退時の守備フォーメーションは、ディバラが下がり気味になり、5-4-1っぽくなっていた。5-3-1-1と言った方が適切かもしれないがまあいい。

というのも、5-4-1守備に対する攻撃時にまず大切なのは4と1の間を我が物とできるかどうかだ。5-4-1で中盤を横に並べると1トップが守備に献身的でない限り、4と1の間を自由に使われてしまう。

それが嫌なこともあるし、ディバラにあまり下がってもらってもカウンターの迫力が減るし、ということによる5-3-1-1なのだと思う。
そして4人を横に並べず3人となる分、その3を担当するレミナケディラアサモアはスライド頑張ってくれ!みたいな。

っで、さすがユベントス。守備が非常に堅かった。

ただし、それもセビージャは理解しており、高い位置でボールを奪われたら、すぐに周辺の選手が囲い込んでボール奪取する。そしてショートカウンターを狙いたいようだった。
ちなみにボール奪取できるよう、特にクラネビッテルがファーストディフェンダーとしてすぐにアプローチできるポジションを非常に意識していた。ボール奪取できなくても、最悪ファールでカウンターを遅らせよう、みたいな。これは開幕前のバルサ戦でも同様だった。

そんなこんなで、前半スコアは動かず0-0で終了する。

 4.ディバラの呪いがセビージャに襲いかかる
後半開始時点でセビージャは、フォーメーションを3-5-2に変更する。 sevilla_juve2

この変更の意図は定かではないが、前半の終わり頃からユベントスがビルドアップの際に、徐々にレミナにパスを通していきそうな気配が漂っていた。なので、この対策としてレミナのマーク担当としてイボーラをトップ下に置き、先に手を打ったのかもしれない。

これによってハイプレス時、CBとレミナの4人には、バスケスビトーロイボーラでプレッシャーかけてね、ということになった。 sevilla_juve9

したがってハイプレス時、バルザリにバスケスがプレスする時、ビトーロはボヌッチのケアにいき、イボーラはレミナなので、逆サイド側CBのキエッリーニを捨てる形で対応していた。 sevilla_juve8

ただし、今度はセビージャの側に誤算が生まれる。それは降りていくディバラの存在だ。

MFのラインぐらいまでだったら、ディバラには主にメルカドがついていく形となっていた。
するとディバラが降りたタイミングの時に、ユーベが速攻をしかける。しかも高い位置にいるアウベスにボールが渡ってしまい、ラミまでアウベスサイドにつり出される場面が出てくる。
つまり、バックラインでパレハ対イグアインの1対1という状態が発生していた。アウベスのクロスからイグアインのヘディングがクロスバーをたたいたのもまさにその形だった。
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またエスクデロより守備が得意ではないサラビア。ハイプレス時や撤退してない時に、サラビアの近くにアサモアとエヴラ2人いるみたいな状態がある。ちなみに途中交代によるポジションチェンジで、守備が得意でないビトーロが右WBになった時も同じ現象が起きており、狙われていた。
そんなこんなでラミがディバラについていった状態で、セビージャの右サイドでも速攻受けると、メルカドが出てきたら、これもパレハとイグアインの1対1になっちゃうので出れない。
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さらにディバラの呪いは、セビージャの撤退時にも発生する。

どういうことかというと、トップ下に位置するイボーラはレミナを任されたこともあり、戻るのが遅くなる時が多発する。

これによりボランチは、ライン間をうろちょろしたり降りたりするディバラもケアしつつ、ユーべのインサイドハーフへのマークをするという板挟み状態に。これによってインサイドハーフへのマークが甘くなる場面が頻発していた。ゾーンでというつもりだったかもしれないが、前線も戻ってこないし、挟み込みもできやしない。 sevilla_juve12

さらにはケディラがWBとCBの間に侵入して、そのままWBの高い位置にいることが頻発する。するとこの動きに対してもマークが曖昧で、ディバラが時間とスペースを得ることができていた。 sevilla_juve13

そんなこんなで、後半は主にユベントスタイムとなった。特に最後の20分ぐらいはクロス爆撃連弾。

しかし足下はうまくなくてもシュートストップ能力の高いリコが好セーブを見せるなどしてセビージャも必死に守り、0-0の引き分けで試合終了。

 5.余談 後半しっちゃかめっちゃかになってしまったが、ユーベにアウェーで引き分けなので、サンパオリ的にはこれで良しだろう。 セビージャと同グループのリヨンは3-0で勝ち。このグループではユーベが頭一つ抜けてるので、トーナメントへ進むためにリヨンを超える必要。次戦はホームでリヨンを迎えるので、必ず勝ちが必須。そこで清武デビューしてほしい。

一方のユベントスはできれば勝ちたかったところだ。ただディバラはよく動くので、それを効果的に活かしているのはさすがだった。またナポリで点を決めまくったイグアインが、CLの舞台でも今後活躍してくれるのか楽しみだ。

最後に試合中で気に入った場面の動画tweetのリンクを2つ貼っておく。 CBであるボヌッチの足下の上手さは相変わらず素晴らしく、決定機の起点となるえげつないパスが2つもあった。 ゴールキックの浮き球をジャンピングダイレクトパスでイグアインに届けて、決定機になる。さすがボヌッチ。

レミナから受けたバッグパスをダイレクトでディバラに楔のパスを通したことで、一気に決定機になる。さすがボヌッチ。


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