昨日行われたCL(チャンピオンズリーグ)のセビージャvsユベントス戦でスタメン落ちし、CL出場が持ち越しとなってしまった清武。 実は、その2試合前のリーグ戦つまり本記事で扱うビジャレアル戦で、清武の出来がひどかったことに原因があった。 つまりスタメン落ちする前兆はちゃんとあったということだ。

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 目次 1.プロローグ:清武CLユーベ戦スタメン落ちの原因となった試合 2.ビルドアップ成功の任務を与えられた清武と、超人ビトーロの存在 3.後半の清武に、サンパオリの鉄槌が下る 4.余談

 1.プロローグ:清武CLユーベ戦スタメン落ちの原因となった試合 セビージャのスタメンは、リコ、コロジェイチャク、ラミ、パレハ、マリアーノ、エンゾンジ、サラビア、ビトーロ、清武、バスケス、ビエット。 昨年アウェーで1勝もしていないセビージャは今シーズンこそ普通に勝っていきたいところだろう。スタメンは基本的にお馴染みのメンバーだが、コロジェイチャクが戻ってきた。あとはパレハもスタメン。ビトーロはあっちこっちのポジションで使われてどこでも活躍している。ちなみにスペイン代表にも呼ばれ、そちらでも絶賛活躍中だ。

ビジャレアルのスタメンは、セルヒオ、ガスパール、ムサッキオ、ビクトルルイス、ハウメコスタ、ソリアーノ、ブルーノ、トリゲロス、サムエル、パト、サンソーネ。 カソルラたちがいた時代が懐かしいビジャレアル。特に注目の選手はブルーノとパトだろう。パトは色々不遇の時代を過ごしてきているのでビジャレアルで本格的に開花できるだろうか。

 2.ビルドアップ成功の任務を与えられた清武と、超人ビトーロの存在

ビジャレアルの守備フォーメーションは4-4-2。ただしまずはゾーン3、つまり前線からのプレッシャーをかけていく。ビルドアップで横幅をとるセビージャのCBに対して、パトとサンソーネがプレッシャーをかけていく。

しかし可能な限りしっかり繋いでいきたいセビージャはエンゾンジがCB間や本来SBの位置や2トップの間など、状況に応じて色んな位置にポジショニングすることで、ビジャレアル2トップのプレスを牽制しようとしていた。

エンゾンジの動きに対しては、ブルーノやトリゲロスがエンゾンジについていったり、左SBポジションにエンゾンジが移ると右SHのサムエルがついていく、という感じで対応していた。
従って下図のとおり、サンソーネとパト+1人(ブルーノなど)のプレッシャーにより後方4人でのビルドアップが困難となっていた。またビジャレアルによって、特に中央へのパスコースが消されるので、SBにパスを出す。しかしビジャレアルはしっかりボールサイドにスライドしながらボールサイドのSHが激しくプレッシャーをかけていく。そのためにSBも前にボールを進められないでいた。
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しかも前線にハイボールに強い選手がいるわけではないセビージャ。したがってロングフィードで逃げると、ビジャレアルのボール奪取に合う可能性が非常に高い。

であれば、ビトーロかサラビアか清武が降りてきてビルドアップを助ける必要が出てくる。サラビアも時々降りてきていたが、主にその仕事は清武に任されていたようだった。しかしこの試合、妙にパスミスも多いし、調子が悪かった清武。 ビルドアップを助けるために降りてきてもあまり助けられていなかった。というのも清武が降りていくと、エンゾンジにプレスに出ていっていない選手(主にブルーノかトリゲロス)がしっかりついてきていた。 sevilla_villarreal3

これにより清武もボールを受けても、前を向けずに別の後方の選手にバックパスすることが多くなってしまい、ビルドアップを成功に導けない状態に。むしろロングフィードやビルドアップのミスでボール奪取され、ビジャレアルのショートカウンターを受けてしまう場面が頻発してしまっていた。

しかしシュートが枠にいかなかったり、トラップが少しずれてきれいにシュートに持っていけなかったりと、あと1歩が物足りないのと、シュートストップ能力が高いリコが止めていた。リコは相変わらずビルドアップ能力は微妙だが、止める力は本当にすごい。

ただしこれではやばい、と動き始めたビトーロ。そんなビトーロは清武の代わりに頻繁に降りてくるようになる。もちろんビトーロが降りていく際にも、清武が降りる時と同様にマンツーマン気味についていくビジャレアル。

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しかしビトーロには高いキープ力と優れたドリブルという武器があり、その武器を存分に発揮して相手をかわして前線へのパスコースを自ら作り出したり、自ら前線にボールを運んでいく。そして味方にパスを出したらすぐにサポートするポジショニングをとることで、確実にセビージャのビルドアップを成功に導いていく。
ビトーロはセビージャにおいて本当に様々なポジションで使われるが、どのポジションでも活躍してしまっており、恐ろしい。

そんなビトーロの姿に圧倒される清武。ライン間に居残って、ビルドアップに助けに降りるというサンパオリから任された仕事をこなさなくなっていってしまう。まあビトーロが降りるから、代わりに前線にいったほうがいいと思ったのだろう。ただしあまり効果的な働きはできなかったが。

というわけで、ビトーロのおかげでなんとかビルドアップが成功するセビージャ。

セビージャの攻撃だが、ビジャレアルの守備ブロックが整っていない場合はおおよそ2パターンあった。1つはゴール前に人数が揃っていない場合で、早めにマリアーノからアーリークロスをあげるパターン。もう1つはゴール前に人数が揃っている場合で、早めに近い選手がCBとSBの間に侵入していくことでビジャレアルのCBをサイドにつり出し、ゴール前の守備陣を減らしてからクロスをあげるなどしてゴールに迫るパターンだ。 このように急いでいた意図としては、ビジャレアルの守備ブロックが整う前のやや混乱状態を利用して攻めたかったからだろう。特にビジャレアルは4-4-2のゾーンディフェンスは非常に素晴らしく、守備ブロックが整った後では崩すのは難しいため、できる限り整う前に攻めたかったからだと思われる。

ただしビジャレアルの守備ブロックが整ってしまう場合もある。そんな時には仕方なく、エスパニョール戦などと同様に、サイドに3人以上が絡んで、主に中盤の誰かがSBとCBの間に侵入していくところから崩していこうとしていた。

 3.後半の清武に、サンパオリの鉄槌が下る 後半になって、ビルドアップ時にビトーロがあまり降りてこないようになる。おそらくサンパオリからすれば、「ビトーロ、お前には前線で力を発揮してほしい」ということだったのだろう。その分、エンゾンジや清武、あとはサラビアにビルドアップを頑張ってほしい、と思ったのだろう。

しかしこれが全く上手くいかなかった。ビルドアップでミスが多発し、ショートカウンターをさらに食らいまくる展開となる。しいて言えばラミの運ぶドリブルが味方を助けていたぐらいだろうか。エンゾンジとサラビアも何度も失う場面が見られた。しかも清武に至ってはやっぱりあまりビルドアップを助けにいかなくなってしまっていた。リコがシュートを止めまくっていなかったら、確実に点を入れられていただろう。

これはやばい、とサンパオリ。清武に変えてベンイェデルを投入。任された仕事をほとんどこなすことができずに、60分で早々に交代させられてしまった。特に、ハイプレスを受けた時のビルドアップは、セビージャにとって大きな課題だったので、それを期待されて応えられなかったことは、かなり厳しい。

そして結局前半同様、ビトーロに降りてきてもらってビルドアップに貢献してもらうことを期待する。その期待に対して、得意のドリブルやキープ力などでやっぱりビルドアップを成功に導いてしまうビトーロの躍動は本当に素晴らしいものだった。 また2トップになったことで、ビエットも降りてきやすくなり、ビルドアップを助けようとしていた。そこまで効果的だったわけではなかったが。

なんにせよ、かなりタフな試合となったため、前半から行っていたセビージャのハイプレスが後半途中から効かなくなっていく。バスケスも後半途中にはヘトヘトになってしまい、膝に手をつく場面が出てくるとすぐに交代させられてしまった。

ただし疲れているのはビジャレアルの選手も同様で、ブルーノが膝に手をついてる場面が見られるなどかなり疲れているようだったが、それでもしっかりと守備ブロックを構築して、激しくゾーンディフェンスをこなしていた。

そしてセビージャはイボーラを投入することで、苦労していたビルドアップの更なる改善を図る。アンカーポジションで失ってショートカウンターをこれ以上食らいたくないので、疲労しているエンゾンジを前目に移動させ、イボーラをアンカーに配置。ビジャレアルも疲れてきたため、セビージャのセットオフェンスの時間帯も増えていくが、反撃もここまで。0-0で試合を終えた。

 4.余談 エンゾンジとサラビアもボールロストが目立っていてひどかった。ただしバルサのハイプレスに対してはビルドアップで貢献していた清武はこの試合かなりひどかった。特に助けにいかなくなってしまったのは重大なことだろう。結果的にこの次節のラスパルマス戦は温存という名目でベンチ外となり、CLのユベントス戦ではベンチに入ったものの不出場となってしまった。

一方でビトーロ、これまでもサンパオリに評価されていたはずだ。右でも左でも、SHでもSBでも起用されてどこでも活躍してきたのがその証。ただしこの試合では全員がビジャレアルのハイプレスの前に苦しむ中、中央でのビルドアップへの貢献が半端なく、中盤の序列においてバスケスとともに最も欠かせないという評価を得たとしてもおかしくないだろう。 セビージャへの対策として、ハイプレスが効果的であることは明白だ。今後、サンパオリ×リージョが、どのように改善策を立てていくのか注目だ。

そしてビジャレアル。ショートカウンターの迫力は素晴らしかったが、あと1歩物足りなかった。前監督のマルセリーノが構築したゾーンディフェンスの魂がまだ残っており、守備の堅さはさすがだった。パトにはこのチームで頑張ってほしい。



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