marinos_kashima

 目次 1.プロローグ:貴重な選手を欠くマリノスと監督を欠く鹿島 2.マリノスによるビルドアップ破壊の仕組みと鹿島の反抗 3.鹿島のハイプレスと躍動する金崎。それでも僕らにはカウンターがある 4.鹿島CBの特徴を利用せよ 〜やつらをサイドに釣り出せ〜 5.余談

 1.プロローグ:貴重な選手を欠くマリノスと監督を欠く鹿島 マリノスのスタメンは、榎本哲也、金井、ファビオ、中澤、小林祐三、齋藤学、兵藤、喜田、天野、伊藤翔、カイケ。 マルティノスが出場停止で、ラフィーニャと中村俊輔も欠場。今シーズン何度か見た試合で、異彩を放っていたし、マリノスでボールを運べる数少ない選手が俊輔とマルティノスだけに痛い。また優秀なSBである下平がベンチにもいないのだがどこへ行ったんだろう。

鹿島のスタメンは、曽ヶ端、山本、昌子、ファン・ソッコ、西、土居、小笠原、柴崎、鈴木、金崎夢生、赤崎。 前節湘南戦で交代させられた際に石井監督といざこざがあった金崎夢生がどうなるのかと思ったがスタメンだった。その代わりというのもおかしいが、石井監督が休み、大岩コーチが指揮をとるという不思議なことになっている鹿島は一体どうなるか。 なお本日30日時点で、石井監督は復帰したようだ。

 2.マリノスによるビルドアップ破壊の仕組みと鹿島の反抗

マリノスの守備基本システムは4-4-2。ゾーン3、つまり前線で鹿島のCBがボールを持っている時、2トップは中央へのパスコースを塞いで、フィードさせることを狙っていた。そしてフィードしそうな体勢になったらFWがプレスに行くことで少しでも焦らせて精度を落とそうとしていた。 フィードではなく、低い位置にいるSBにボールが渡る場合、山本には天野、西には齋藤学がしっかりとプレッシャーをかけていく。鹿島のSHが降りてきて受けようとすればSBがしっかりついていくなどして、SBからボランチや同サイドのSHに出るパスを奪う、というのが狙いだったように見えた。 実際、特に天野なんかはしっかりプレッシャーをかけ、プレスバックもしっかり行うことで、守備に貢献していた。

ただし鹿島も黙って奪われるわけにはいかない。フィードさせられる際は、FWと近い距離をとるために中に入るSHのどちらかを狙い、キープしたりセカンドボールを拾ったりしていた。金崎と鈴木であることが多かったように思う。実際この形の例として、中央にいた小笠原が、中に入る鈴木に浮き球のパス。鈴木は胸で落として、金崎がそのまますぐにボレーシュートする惜しい場面が見られ、鹿島らしいコンビネーションだった。
また繋いでいく際には、柴崎や小笠原のボランチがCBやSBからパスを受ければ、ボールサイドのSHにダイレクトでつないだり、柴崎がマリノスの2トップの間で受けてすぐに前を向いて縦パスしたり、小笠原がCBのラインまで降りてきて2トップに対して3人の体制を作ったりしてビルドアップを図っていく。 他にもボランチが相手FWをピン留めし、SBは高い位置にし、天野に守備の基準点を迷わせて、CBを1人フリーにさせる形から運ぶドリブルでビルドアップすることもあった。
そして鹿島の攻撃の特徴として、SBが高い位置をとって横幅をとり、SHが中に入り、FWはサイドに流れて起点になったり、といった活動が多い。その最たる存在が金崎で、この試合でもサイドに流れてよく起点になっていた。またビルドアップを助けるために降りてきてライン間にポジショニングすることで縦パスを受け、展開していく形も多く見られた。

鹿島の先制点はそれに似た形から。左サイドに流れた金崎は後方からパスを受ける。なぜかここで小林祐は一度後ろに下がってしまい、金崎に簡単に前を向かせてしまう。天野が急いで戻ろうとするが、間に合わないと気づいた小林祐が再度金崎にプレスしようと前に出るも、その隙を逃さない金崎と右SHの鈴木。鈴木はすかさずSBとCBの間からダイアゴナルランでゴール前に侵入し、そこに金崎がスルーパスを送り先制点。喜田ももっと金崎に詰めて、パスコースを消したいところだった。

 3.鹿島のハイプレスと躍動する金崎。それでも僕らにはカウンターがある 一方、鹿島の守備基本システムだがこちらも4-4-2。鹿島はゾーン3から、つまり前線から追うことが多かった。CBだけでなくGKまで2度追いしていくこともあり、フィードの精度を落とさせることでマイボールにすることを狙っていた。 また繋がれる場合は、CBにプレッシャーにいくことでSBに出させる。その際、逆サイド側のCBへのマークをやめ、ボールサイドに集まって囲い込み、奪うことを狙っていた。
このままでは奪われっぱなしなので、マリノスの中盤の選手がビルドアップをサポートするために中盤から降りてくる。しかし鹿島の中盤の選手がついてきていた。そこでマリノスはボランチがCB間に降りてきて、鹿島2トップのプレスに対処しようとする。その際、CBはかなり横幅を広くとる。それでも両脇のCBに出たら、鹿島2トップは真ん中のCBへのパスコースを消しながら猛プレスをかけていた。
マリノスはサイドで挟み込まれないようSHやボランチがサポートして、3人で三角形を作る形を意識して繋ぐことができていた場面もあったが、マルティノスも俊輔もいない中ではなかなか厳しい守備で、鹿島はボール奪取を多く成功させていた。もちろん奪えないこともあり、逆側のCBやSBに繋がれてしまったらハーフラインからの守備に切り替えていた。

マリノスの攻撃の狙いは、基本的にはカウンター。相手のビルドアップへの対抗策はすでに記した通りで、狙い通り奪ってカウンターをすることもあるし、攻撃時にボールを奪われたら、すぐに人数をかけて奪ってからの鋭いカウンターの場面が目立った。
伊藤翔のクロスバー直撃の場面なんかもその最たる例だろう、右サイドにマリノスが2人駆け上がっていくところに鹿島は3人ついているが、中央と左サイドには鹿島2人に対してマリノスが4人もおり、カウンターに人数をかけるマリノスらしさが見えた。

そしてなかなか得点を決められず先制された中、左サイドタッチライン際でパスを受けた齋藤学。対面の西のプレッシャーが緩いとみるや、すかさずカットインからシュート性の低めのクロス、そこに合わせたの伊藤翔が同点ゴールを決める。 この場面、伊藤翔だけでなく兵藤と天野がゴール前に侵入し、ファンソッコと小笠原をひきつけていたのも良いプレーだった。柴崎がもっとカットインしてきた斎藤に寄りたかったし、土居ももっと早く中央に戻ってきてほしいところだが、そこまで求めるのは酷とみるかどうか。何にせよ、前半終了間際に同点に追いついたのは大きい。

とはいえ予想通り、基本的には鹿島がボールを支配する前半であった。

 4.鹿島CBの特徴を利用せよ 〜やつらをサイドに釣り出せ〜 後半、マリノスは鹿島の特徴を利用した戦術を色濃くしていく。鹿島の守備の特徴として、CBが人にかなりついていくことが多いというものがある。確かに鹿島CBの1対1は強いが、マリノスにしてみれば鹿島CBのポジションを操作することが容易ということだ。
伊藤翔とカイケで中央に鹿島CBをピン留めすることもあれば、サイドに流れたり、中盤に降りてくることで鹿島CBを釣り出すことでゴール前に空白地帯を作ったりしていた。ただしカイケがあまりにも降りていった場合にはさすがにマークを中盤に受け渡していた。

また人についていくCBへの対策として、SBとCBの裏に誰かが侵入していくことが挙げられる。前半からやっていたが、後半になって執拗に狙うマリノス。齋藤学がいる左サイドからが多かった。 特に鹿島のSBは攻撃時に高い位置にいることが多いので、カウンターで早めに鹿島SBの裏を狙えば、ほぼ間違いなく鹿島CBをサイドに釣り出すことができる。釣り出されるなどした時に鹿島は空いたスペースを埋めるかというと、微妙だった。そのためCBをサイドに釣り出してから、低めのマイナスのクロスを狙い続けるマリノス。

一方どうしても勝ちたい鹿島も、ライン間に降りてきた金崎が小笠原の縦パスを半身で受けてすぐに前を向いてミドルシュートを放ったり、中央付近から永木や鈴木がミドルシュートを放つなど、積極的にゴールを狙い始める。

しかしセンターサークル付近で西のバックパスミスをかっさらった齋藤学が、ファンソッコを右に左に揺らして、守備がやってはいけない背中を向けさせるドリブルを披露し、見事な逆転ゴール。

すると、もう時間がない!ということで、鹿島はファブリシオを投入する。その前の後半27分に赤崎に代わって伊東を入れ、鈴木がFW、右SHに西、右SBに伊東を入れたのがはまって、伊東と西が何度も良いコンビネーションからサイド攻撃を炸裂させる。 終了間際の同点弾もそのコンビネーションから。西がサイドでボールを持っているところに、伊東がインナーラップしてサイドを深くえぐってGKとDFの隙間に通す絶妙な低いクロス。出場後すぐに点を決めたファブリシオは喜びのポーズ。この時、しっかりとニア(金崎)、ファー(鈴木)、バイタル(ファブリシオ)と、セオリー通りにペナ内で三角形を作っていたからこそ生まれた得点である。また鈴木は1点目といい、落ち着いていた。

2-2になってからはややオープンな展開になり、お互い惜しい場面はあったが、引き分けで試合終了する。

 5.余談 マリノスは齋藤学が明らかに1人異彩を放っていた。ただしマルティノスや俊輔がいれば、もっと良い試合内容にできたのではないか、というのが本音だ。それでも鹿島相手に引き分けにできたことは良かった点だろう。また喜田がよくボール奪取し、兵藤は前線にも上がって攻撃に貢献していたのが目に入った。天野は守備で頑張っているので、攻撃面でも貢献したいところだが、SHはやりづらかっただろうか。

鹿島はやはり金崎が目に付いた。監督とあんなことがあっても実力的にはなかなか外しづらいところだったのだろう。また鈴木も若いのに頑張っている。あとは伊東と西のコンビネーションが輝いたことは鹿島にとって朗報だ。そして永木は途中出場が目立つが、スタメンを張ってもいいクオリティを持った選手なので頑張ってもらいたい。



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