<前回の記事はこちら

3.川崎と対称的なリスク回避の仙台と疲れてきた前線

さて前回記事のとおり、守備時にはサイドで対応することで1人少ないことを無効化してみせた川崎フロンターレ。
攻撃に関して、フロンターレはサイドから仕掛けていく。フロンターレは狭いところも崩せるので、逆に攻撃時にもサイドに人を集めて数的不利をなきものとし攻めていく。
frontale_sendai23
したがって高い位置からサイドで守備をし、そのままボールを奪ってから同サイドで、相手の視野外など巧みなポジショニングで、攻撃を仕掛けていく。

ただしもちろん全てうまくいくわけではない。
特に仙台がしっかりと撤退してブロックを築いた時にはなかなか崩しきれず、途中でボール奪取されてしまう。
当然カウンターを受けると人数が少ないため、中盤にスペースができるので、そこから三田などがミドルを打っていくが得点には至らず。

ただし仙台。2-0で勝っており、しかも相手は1人少ない。したがって前半に比べて、選手たちはあまりリスクを冒さないプレーが非常に増えていく。つまり裏に抜け出すプレーや仕掛けるプレーも減っていく。(裏に抜ける選手がいてもパスをあまり出さない)
frontale_sendai24
また守備でも同様にリスクを恐れていく。仙台の選手のライン間で川崎の選手が受けると、飛び込んでかわされたくないのだろう。ファーストディフェンダーが誰なのかがすぐに決められず、そのまま高い位置に持ち運ばれてしまう場面が目立ち始める。

4.悔やまれる仙台の交代策、そして恐怖の等々力劇場

そんな展開の中、後半25分あたりから仙台の前線3人の選手たちの守備への戻りが遅くなり始める。
frontale_sendai25
三田が、守備ブロックに入れと大きく身振り手振りして指示出ししているのに戻ってこれず、守備陣形が5-2になっている場面が見られた。

同様に川崎。長谷川は後半からだから元気は余っていたが、森谷は1人少ない分をカバーすべく中盤で中央からサイドに走り回った。また三好も攻撃面でプレッシングに走り回り、撤退時には中盤に下がってブロックに加わり、カウンターで前線に走る働きを見せていた。つまり2人とも疲労困憊である。

そこでの監督の動きが対称的だった。川崎フロンターレの鬼木監督は、森谷をハイネルに、三好を知念に交代させる。ここの運動量が落ちると一気にやられかねないので、適切な交代策だろう。

しかしベガルタ仙台の渡邊監督は迷っていたのか、割と終盤まで出ているメンバーで引っ張ってしまう。そしてようやくクリスランを投入するかと思いきや、その直前の後半37分から等々力劇場が幕を開ける。


長谷川が三田をバイタルから引きはがし、さらに車屋が奥埜をバイタルから引きはがす。
frontale_sendai_3goal
6バックになってしまったのもよくないが、状況的に野津田が車屋にアプローチして奥埜がバイタルに残るか、野津田が代わりに埋めたかったところだが、野津田も疲労がたまっていたのだろう。お見事エウシーニョ。

そして等々力が「まだいけるかも」という空気になり、観客が湧き始める。仙台の選手たちにとって非常に嫌な雰囲気だろう。するとその直後、さらなる悲劇が仙台を襲う。


等々力が「これいける!」ととんでもない盛り上がりを見せ始める。一方、小林悠が喜んでいる横で、入ったばかりのクリスランがあまりの衝撃に呆然としている姿が印象的だった。
これは小林悠のゴールが素晴らしかった。
frontale_sendai_4goal_2
しいて言えば野津田は容易に飛び込んでしまったのと、右サイドの2人がゆったりと曲線を描くように戻ってきたのが気になった。もっと危機感を持って、急いで中央に直線に戻ってくるべきだっただろう。そうすれば誰かが小林悠にもう少し圧力をかけられそうだった。

あまりの展開に、平静を保つのは難しいだろう仙台。そして大岩のパスミスからまさかの逆転弾をくらってしまう。



まさにこれこそ等々力劇場、最高潮を迎えるスタジアム。これだから等々力は恐ろしい。小林悠のプレスに慌て、パスミスした大岩はめちゃめちゃへこんでいるだろう。平岡はもう1歩前に詰めておきたかったが、これも小林悠のゴールが素晴らしかったので仕方ない。そして試合はこのまま川崎の大逆転勝利で幕を閉じる。

5.余談
ベガルタ仙台は前半まで非常に良いプレーを見せていた。負けたとはいえ渡邊監督の挑戦が実を結び始め、内容に反映されているのは明らかだろう。しかも主力に怪我人が多数出ている中でもだ。もちろん中央を空けてしまうことのある守備など、まだまだ手をつけるべき箇所はあるだろうが、個人的には監督を更迭することなく来季も挑戦していく姿を見たいと思わせた。怪我で出れなかった椎橋君の成長にも期待したい。

一方の川崎フロンターレ。こちらも大島や阿部など怪我人がいる中、なんとか勝利をもぎ取り鹿島に食らいついているのはさすがだ。ルヴァン杯も天皇杯も残っており、疲労も溜まっていくだろうが、なんとか質を落とさずに勝ち続けていきたいところだろう。今年こそ優勝をとれるだろうか。

初めから読み返したい方はこちらからどうぞ。

【図解で分析】中野と野津田が躍動、川崎相手にボール保持率で圧倒 川崎フロンターレvsベガルタ仙台の前半(1)
【図解で分析】中野と野津田が躍動、川崎相手にボール保持率で圧倒 川崎フロンターレvsベガルタ仙台の前半(2)
【図解で分析】中野と野津田が躍動、川崎相手にボール保持率で圧倒 川崎フロンターレvsベガルタ仙台の前半(4)
【図解で分析】川崎の急襲、落ち着きを失う仙台は 川崎フロンターレvsベガルタ仙台の後半(1)
【図解で分析】川崎の急襲、落ち着きを失う仙台は 川崎フロンターレvsベガルタ仙台の後半(2)

面白いサッカーブログが多くあります。
私もランキング参加中、クリック励みになります
にほんブログ村 サッカーブログ Jリーグ(J1)へ 
----------------------------------------------------------------------
たまにtwitterで実況しながら分析もしています
 
----------------------------------------------------------------------